サマーコテージでのんびりと過ごす、フィンランドの短い夏

2018年09月11日

フィンランドの夏は非常に短く、日照時間が長くなる夏は大変貴重なため、フィンランド人は夏になると、皆それぞれのサマーコテージへ行きます。

日常の生活から完全に切り離し、仕事も全て忘れ、自然の中で自分と向き合う時間、家族や友人と過ごします。もちろんパソコンもスマホもオフです。

お気に入りの場所で、お気に入りの人たちのみ、完全なるプライベートな時間に浸ります。とても大切で特別な時間のようです。

サマーコテージは、祖父母、両親から、家族で受け継ぐものから、キャビンを持っていない家庭はレンタルしたりと様々ですが、大抵のフィンランド人は何かしらのキャビンを持っています。近年若い世代の人は、サマーコテージを所有すると、管理など大変なため、必要なときだけ借りるレンタルも人気だそうです。

私の夏も、フィンランド最大級の湖、サイマー湖(Saimaa)にある、プーマラ(Puumala)のサマーコテージで過ごします。良いサマーコテージの条件は、湖に面していること(これは必須)、トイレはコテージ内にあり水洗トイレなこと(私の中での絶対条件!)ほとんどのコテージがトイレは、コテージの外にあり、汲み取り式が主流です。

フィンランドに来てから、友人のコテージなどこれまでに、何軒か遊びに行きましたが、大抵外。トイレが終わったあとは専用の臭い消しの乾燥草のようなものを振りかけます。日本から来た私にとっては、このトイレに夜行くのは恐怖。お化け屋敷体験のようです。笑。そのため、お呼ばれするとまずは、トイレはコテージの中にあるか?確認してから行くようにしています。

古いコテージでは、水道水もなく、水は近くの井戸から引いて来る場合もあり、食事のあとの洗い物、シャワーが不便です。こんな不便な思いをしてまで楽しめるのかな?とつい疑問に思ってしまいます。

このプーマラのコテージは全ての上記の条件を満たしており、ベッドルームは2つ、リビングルーム、キッチン、サウナルーム、トイレ、もちろん水道水が使用でき、2階建で、とても気に入っています。大抵のコテージには、手漕ぎボート(ソウトベネ)が付いていて、湖へボートの旅へでかけたり釣りをしたりします。

フィンランド人は夏の間、コテージに何度も訪れ過ごしたり、通しで4週間お籠りする人もいたりさまざま。毎日、バーベキューをして、湖で泳ぎ、ブルーベリー摘み、魚釣り、読書、サウナ、サウナの後は湖に裸で飛び込み泳ぐ。を繰り返してのんびりゆったりと過ごします。

コテージ内のサウナ。薪を割り、火をおこします。コテージサウナで欠かせないのが、白樺の木の枝を束ねて作る、ヴィヒタです。体を葉っぱの束でパンパンと叩いて血行を良くするとともに、白樺の香りも癒し効果あります。

100度くらいの熱いサウナから出て、目の前の湖にそのままジャンプ、飛び込み泳ぎ、熱くなった体をクールダウンさせます。上向きでポカーーンと湖に浮いて空を見上げます。そしてまたサウナへ。これを長々と繰り返しながら、夜は更けて行きます。

反対側のサマーコテージからもバッシャーーーン!と湖に飛び込む音が聞こえて来ます。皆それぞれの空間で楽しんでいて、秘密基地みたいで面白いなあと思います。

ボートを漕いで、遠くまで出かけたりもします。今までボートなんて漕いだこともなかったけれど、フィンランドに来てから、手漕ぎボートも上手に操作できるようになりました。

白樺の木。葉っぱがササササーーと擦れ揺れる音が癒し効果抜群です。

コテージでの食卓は、フィンランド産の茹でたジャガイモ、サーモン、ソーセージBBQ、摘みたていちご、ブルーベリーなど自然の恵みをふんだんに使った食材が並びます。

寝る前は外に出て、こぼれ落ちて来そうな一面の星を眺めてから眠りにつきます。(白夜なので完全に真っ暗になる時間はない)無音、何一つ音が聞こえない中で、深い眠りにつくことができます。