フィンランド人は、結婚している?子供はいる?という質問はしない

日本に比べると、ヨーロッパの恋愛観&結婚観は非常にオープンだと思います。特に北欧、フィンランドはものすごくオープンで、選択肢が幅広く、自由度が高いです。

まず、フィンランドでは「結婚していますか?」「子供はいますか?」という質問は他人に聞きません。初対面の人にそのようなパーソナルな質問はまずしないです。

私は、仕事上、日本からゲストを迎えることが多く、必ず質問されるのは、「なぜフィンランドに住んでいるのですか?」です。それとセットで必ず聞かれるのは、「ご主人がフィンランドの方ですか?結婚で来られたんですか?」さらには「お子供さんは可愛いでしょうね、ハーフで。」と決めつけの妄想は膨らみこのような質問が普通に飛んできます。なぜこんな北の果ての寒い国、フィンランドに住んでいるのか?何をやっているのか?当然気になることだと思います。

海外へ1人で移住した→イコール、外国人と結婚→結婚イコール、子供がいる。に繋がるこの思考回路。日本の狭い社会の中で生きているとこういった固定概念に縛られた考え方になるのでしょうか…それが悪いとは決して思いません。生活している文化、環境によって、人それぞれなので。

海外移住となるとビザ取得の難しさもあり、大抵の場合が、パートナーや結婚で住むパターンが多いので、その思考回路は理解できる部分もありますが、こういう踏み込んだ話を初対面の他人に聞いてくるところは日本人とフィンランド人では大きく異なるようです。

この話をフィンランド人にすると、「他人がそういったことを質問することはフィンランド人はしない。理由は、人によって考え方、思想、価値観が異なり、これが当たり前ということがない社会だから。」

フィンランド人は付き合う前に、「好きです。付き合ってください」という日本でいう告白みたいなものがありません。お互い好きなら一緒にいる時間が増え、やがて一緒に住む。というのが自然の流れ。私たち付き合っているのか?などお互いに聞かない限り解らないことも。

近年フィンランドの特に若い年代では、結婚(籍は入れないで、日本でいうところの”事実婚”のような同居が主流)はしない人が圧倒的に多いです。籍は入れていないが、子供が居るとかは会社の同僚にも多く一般的です。子供は望まない、ときっぱり言い切っている友人も多数。(フィンランドも日本同様に少子高齢化)

そもそも結婚をしても離婚率が非常に高いフィンランド。離婚率は50%になるとか。

そもそもなぜ籍を入れないのか?親しい関係のフィンランドの友人たちと話すことがあるので、聞いてみると、籍を入れるために色々な手続きをしても将来別れるかもしれないし、気持ちが変わるかもしれないし、将来の約束なんてできない、それなら面倒な手続きをしなくても良い。籍を入れなくても夫婦別姓でも、子供がいたとしても、社会制度が整っているため、何も変わらないし不便がない、紙上のことだけで入れる必要性を感じない。のだそう。

婚姻とは別に、住民登録所に、事実婚という形での登録もありますが、周りで実際その登録をしてるカップルは今の所聞いたことがないです。

籍を入れた場合、お互いの性は自由に選べ、夫、妻の名前をとるもよし、夫婦別姓もあり、新しく二人で性を作るという選択肢もあり非常にフレキシブルです。私の場合は、夫の性を選びました。二人で話し合い、性を統一しておくと何かと生活の中で物事がスムーズと判断したため。

私がこれまで現地の企業に勤め、フィンランド人の中で生活し、「観察」した中で感じるのは、超個人主義で、個(自分)の幸せを一番に考え、自分は自分、あなたはあなた。「輪」「協調性」「家族」というよりは個人の幸せを第一に考える社会だと感じます。人のために何かをしてそこから幸せを得る。というような考え方が少ないように思います。(例えば、相手のために美味しい手料理を作ってあげる、とか)

もちろん相手を思いやることができ、人のために喜んで何かをすることができる人もフィンランドにはたくさんいます!しかし、本当にそういう人と出会うことは難しいように感じます。

離婚率に関しては、根底にあるのは、男女平等社会、女性も仕事をし、経済的に自立していること。シングルマザーになっても子供を育てられるだけの社会保障制度が整っていること。経済的・精神的に自立しているので、嫌な相手と無理をしながら暮らす必要もなし、自分の人生を楽しむわ。というスタンス。 執着心がない?!

たとえ離婚したとしても、子供がいれば、その子供にとっては、お父さんとお母さんに会う「権利」があるため、フィンランドでは1週間ごとに、今週はお父さん宅へ、次週はお母さん宅へと交互に家を行き来し、生活する子供が多いです。違う家を毎週行ったり来たり大変じゃないのか?落ち着いて子供が生活できず不安定なのでは?などという意見もあるかもしれません。そして、その先々で、お父さんには新しい彼女、お母さんには新しいパートナーがいてと、子供をとりまく環境もめまぐるしいと聞きます。

私のフィンランド人の友人が、小学校低学年の先生をしています。彼女いわく、クラスの7割の子供の親は離婚しており、お迎えに来る親が毎回異なるので、先生も困惑するのだとか…

例えば、周りでもこんな人がいます。

・籍を入れ、夫婦という形をとり結婚をしている人(私と主人はこれに当てはまります)

・籍も事実婚登録もせず同棲、婚約して10年以上経つが、将来籍を入れる予定はなし

・離婚しシングルマザーで、新しいパートナーとその子供と暮らしている(こういうパッチワークファミリーは非常に多い)

・前はボーイフレンドがいたが、近頃は新しいガールフレンドがいる(趣味思考が変わった)

・パートナーは欲しいけど、結婚は望まない、子供は望まない。

・パートナーは不要だけど、子供は望むので親しい友人との間に子供を授かり一人で育てている

などなど…十人十色。家族の形、事情もそれぞれ。

日本のようにこうあるべき、こうでないといけない、適齢期のような言葉や、この年齢になったらこうしていないとおかしい、などという固定概念や社会的しがらみは一切なく、周りに流されない、影響されない。軸の中心は自分。自分が幸せならそれで良い、自分の「心の声」を聞いて、本当に何を望んでいるのか?を最優先に、人生の選択肢が幅広く、「選ぶことのできる」フィンランド社会は素晴らしいと思います。そういった様々な考え方の人を受け入れる土壌と余裕があります。

2018年フィンランドは世界幸福度ランキングで1位になりました。その調査項目の中には、「所得」 「健康と寿命」「社会支援」「自由」「信頼」「寛容さ」がありました。